前回の「ひとりごと」では、イチローさんの言葉をきっかけに、「準備」について書きました。
朝早く職場に向かう習慣が、いつしか自分を支える準備の時間になっていたこと。
そんなことを、これまでの仕事や人生を振り返りながら書いています。
今回は、その続きのようなお話です。
人は誰でも、一度くらいは「もっと褒められたい」と思ったことがあるのではないでしょうか。
私も会社員時代は、上司や社長に認められたい一心で仕事に向き合っていました。
でも今、振り返ってみると、心に残っているのは「褒められた記憶」ではありません。
誰にも気づかれなくても、自分なりに納得できる仕事を積み重ねてきたことでした。
今日はそんな、評価と自分らしさについての「ひとりごと」です。
「もっと褒められたい」と思っていた頃

「もっと褒められたい。」
今なら少し照れくさい言葉ですが、若い頃のわたしは、そんな気持ちを持ちながら仕事をしていました。
上司に「よくできてるよ」と言われるとモチベーションが上がり、次も期待に応えようと頑張れる。
社長から任された仕事は期待以上にしたくて、資料づくりにも自然と力が入りました。
新しい書式や企画書のテンプレートを任されると、「もっと見やすく」「次に使う人が使いやすいように」と、何度も作り直したものです。
褒められると嬉しいし、評価されれば励みになる。
今なら、それを「承認欲求」と呼ぶのだと、少し笑いながら振り返れます。
でも、不思議なことがあります。
誰に、どんな言葉で褒められたのかは、ほとんど思い出せないのです。
それなのに、時間をかけて作った資料や、工夫を重ねた仕事のことは、今でも鮮明に覚えています。
誰にも知られなかった引き継ぎ書

退職が決まったとき、会社の方針で、わたしが担当していた仕事は一人の後任ではなく、複数の人へ引き継がれることになったのです。
「それぞれが自分の担当だけ覚えれば大丈夫。」
そう考えることもできましたが、わたしは少し心配になりました。
後任が複数人になると、それぞれが自分の仕事を抱えながら、新しい業務も担当することになります。
きっと忙しい毎日になるだろうな。
そんな中で、全体の流れや年間スケジュールまで把握するのは大変かもしれない。
そこで、退職までの限られた時間を使って、引き継ぎ書やマニュアルを作ることにしました。
年間の業務予定や仕事の手順はもちろん、担当が分かれてもお互いに困らないよう、連携するときのポイントや注意点、過去の事例まで、一つひとつ書き残していきました。
「ここまで書かなくてもいいかな」と思いながらも、後任の方たちが少しでも困らないように、一つひとつ整理していきました。
もちろん、そのことを社長や上司に報告したわけではありません。
「よくやったね」と褒められた記憶もありません。
でも、不思議と後悔はないのです。
むしろ、退職して時間が経った今でも、「あのとき、やっておいてよかった」と思える仕事の一つになっています。
誰かに評価されたからではなく、自分が納得できたから。
それだけで十分でした。
今、ブログを書いていて思うこと

ブログを書き始めてから、会社員時代の自分をよく思い出します。
最初の頃は、アクセス数や検索順位ばかり気になっていました。
よく読まれれば嬉しくなり、伸びない記事を見ては「何が足りなかったのだろう」と考え込んでしまう。
その姿に、どこか懐かしさを感じます。
そんなわたしが最近、一番楽しいのが「ひとりごと」を書く時間です。
自分の経験を振り返りながら、そのとき感じたことを素直に書いていると、会社員時代に資料を作っていた頃の感覚に似てくる。
「どうすれば伝わるだろう。」
「この言葉なら、誰かの心に届くだろうか。」
そんなことを考えながら文章を整えていると、不思議と時間を忘れます。
多くの人に読んでもらえたら、もちろん嬉しい。でも気づけば、それ以上に
「自分の心に正直でいたい」という思いが、静かに根を張っていました。
今日のひとりごと
振り返ってみると、心に残っているのは、褒められた日のことではありません。
自分なりに納得できた日のことです。
そんなことを思った、今日のひとりごとです。
今回の「評価」とどこかつながる話として、以前「準備」についても綴っています。
ご興味があれば、あわせて読んでいただけたら嬉しいです。

アルフレッド・アドラーさんの言葉
褒められたいという
気持ちは
何の役にも立たない
※アルフレッド・アドラーさんの言葉より引用
おわりに
今回の記事を書きながら思い浮かんだ短い言葉を残しておきます。
評価を求めていた頃のわたしと、今のわたしをつないでくれた、小さな「ひとりごと」です。
自分への手紙
「もっと誰かに褒められたい」
切なる願い
でも立ち止まって 考えてみよう
もっと大切なことを
人の意見や評価を 追いかけすぎて見失うもの
それは確かな 自分の心が指す方角
拍手の中で 消えていく私らしさ
褒められても 変わらぬものがあるはずさ
それは 私がわたしに送る 小さなひとりごと
だから今日は 鏡の前で言ってみよう
「よく頑張ったね あなたらしく生きてきたね」って













